ゆりかもめ、完乗!
朝からあの女の人が妙にそわそわしている。
“今日はどこで練習なの?”
「台場海浜公園よ。お手伝いに行っている文京白山フィルハーモニックの演奏会まで1ヶ月切っちゃったからねぇ・・・。虎ちゃん、頑張ろうね♪ それから今日は練習終ったら、演奏会、聞きに行くからね。聞くのも勉強だからねっ。」
ブラームスの交響曲第1番とか、エグモントの序曲、カルメンとか魅力的なプログラムだ。そりゃ、ぼくだって言われなくたって頑張るけど、あの女の人の今日のそわそわっぷりときたら、それだけだろうか・・・。あと、演奏会聞きに行くというのもなぁ。確かに聞くのも勉強だけど、いちいちそういうこと言うところがなんか胡散臭いなぁ。
「もぅ、虎ちゃん、何ブツブツうるさいこと言ってるの、遅くなるから出かけるわよ。」
あ、うるさいって言った。これは要注意だ。ま、遅刻してはいけないから、出かけよう。
千代田線、銀座線を乗り継いで、新橋からゆりかもめに乗った。
「日曜日の朝なのに案外、混んでるわねぇ。先頭に座るのは無理みたいだから、適当に座るかしらね。」
なんだか拍子抜けする大人しさだ。
「大丈夫、大丈夫。お台場までは乗ったことあるのよ。」
ふぅーん、なるほど。でも、朝のそわそわっぷりはなんだったんだろう。ま、いいけど。
と、いうものの、芝浦ふ頭駅を出たあとのループをぐるぐるっと回ってレインボーブリッジを渡るところなんか、あの女の人じゃなくてもワクワクするよね。
で、エグモント序曲やブラ1の練習は、トレーナーの先生にすーっと行ってしまい勝ちなところのどこに注意を置くとうまくいくかとか、ちょっとしたことだけどそれを判ってやると山椒は小粒でもピリリと的なアドバイスをいただいて実り多いものだった。
“午後は演奏会、聞きに行くって言ってたけど、どこに行くの?”
「錦糸町のトリフォニーホールよ。」
“ふぅーん、ここからはちょっと行きにくいよね。どうやって行くの?”
「大丈夫、大丈夫。ちゃんと調べてるから。先ずはゆりかもめで豊洲に行くからね。」
そうか、そうか、そういうことか、台場から先を乗るから、朝からそわそわしていたのね。
台場海浜公園から乗ったゆりかもめも結構混んでいたけど、船の科学館駅を過ぎたら最前列の席に座れた。お天気が良くて実に気持ちがいい。

市場前を出た辺りからはビルとビルの間に東京スカイツリーが見えた。写真だとちょっと見えづらいけど。
そんなこんなで、ぼくもついあの女の人と一緒になってはしゃいでしまったけれど、20分弱で豊洲に到着した。
“こんなところまで来たけど、ここからどうやって錦糸町に行くの?有楽町線に乗っても乗り換えが何回もあるし・・・。”
「大丈夫、大丈夫。本数は少ないけど、バスが出てるから。」
ということで、バスに乗って錦糸町へ向った。いつものことだけど、あの女の人は本当に大人気なくて、電車でもバスでも一番前に立ったり、座ったりする。今日も進行方向左側の最前列に座っていたのだけど、枝川を過ぎた辺りから見え始めた東京スカイツリーが錦糸町に近づくに従って、どんどん大きくなっていくのがとても楽しかった。みなさんも機会があったら、このバスに乗ってみるといいと思うな。





















































































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